小さな一粒にたくさんの栄養素が詰まったカリフォルニアプルーン。そのプルーンの力を、栄養学の専門家であるお二人の先生に語っていただきました。
文教大学健康栄養学部 管理栄養学科 笠原誠一教授
東京農業大学大学院修了。管理栄養士/博士(農業)。山之内製薬(現アステラス製薬)、アメリカ国立衛生研究所などを経て現職。近著に『脳と体がみるみる若返る30の食習慣』(高橋書店)など。
戸板女子短期大学食物栄養科 管理栄養士 伊達友美先生
管理栄養士・日本抗加齢医学会認定指導士。著書に『女性の不調は「油+(プラス)」でよくなる ~女性ホルモンに振り回されないための「食べる」フェムケア~』(青春出版社)などある。
骨の形成を活性化し骨粗鬆症を抑制。 閉経女性の健康も守るプルーンの力
笠岡 全身活動や体を支えるために重要な役割を担う骨は、カルシウム、リン、マグネシウムのほか、たんぱく質の一種であるコラーゲンなどによって形成されています。骨は、古くなった骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨をつくる「骨形成」のバランスが大切で、特に閉経後の女性は「骨吸収」が進み、「骨形成」が行われにくくなるため、骨粗鬆症になりやすいのです。
伊達 閉経後の女性は更年期障害のことが気がかりで、骨が弱くなってしまうことを知っている人は少ないですね。
笠岡 プルーンにはβ-クリプトキサンチンが含まれていて、それが骨吸収を抑制し、骨粗鬆症を防ぐ可能性があると、近年、報告されています。プルーンは、骨の材料となるカルシウムやリン、骨の形成を助ける銅も含み、骨の健康維持に役立つことが期待できます。
伊達 骨の健康はカルシウムさえ摂っていれば大丈夫と思っている方が多いですよね。閉経後の女性の骨形成に必要な栄養素として、ビタミンDやコラーゲンが挙げられますが、たんぱく質の中でもコラーゲンをとれば骨も肌も丈夫になります。また、カルシウムなどのミネラルはアミノ酸と結合することで腸から吸収されるため、どちらも含むプルーンは、骨のためにも女性の閉経後の健康にも役立つ、スーパーフードだと思います。
栄養価+うま味成分で 調理の可能性が広がる
笠岡 骨に良い栄養素を体に取り込むのは腸からなので、腸を健康に保ちたいものです。腸は脳の働きに影響を与えるといわれ、全身の健康にも大きく関わっています。プルーンには不溶性と水溶性、両方の食物繊維がおよそ1対1でバランス良く含まれていて、腸内環境を整えることに優れています。
伊達 プルーンって、こんなに小さい一粒に信じられないほどの栄養を含んでいますよね。果物なのにたんぱく質を多く含んでいたり、クロロゲン酸やアントシアニンを含んでいて抗酸化作用もあるので、LDLコレステロールの酸化を抑制し、女性ホルモンのコントロールにも役立ちます。ですから、私は女性ホルモン系のお悩みがある方にプルーンを勧めています。
笠岡 最近注目しているのが、プルーンに含まれるうま味成分のグルタミン酸です。栄養価も高く、うま味成分も含まれるプルーンは、調理での活用法がますます広がりそうで楽しみですね。
伊達 プルーンには、ペクチンやソルビトールも含まれるので、焼き菓子などを作るときに加えると、生地がしっとりするんです。調理では油脂の代替品、またはうま味調味料として活用すると良いと思います。肉にプルーンソースをかければ、たんぱく質も摂れて、健康的にうま味もたっぷり味わえます。食材にうるおい、ジューシーさ、うま味、栄養価をプラスしてくれるプルーンは、メニューづくりの強い味方になりそうですね。
毎日プルーンを食べる 健康習慣をつけましょう
笠岡 プルーンを朝食だけでなく、夜に食べるのもお勧めします。朝はヨーグルトと一緒に食べて腸を活発に動かしてもらう。プルーンは食物繊維を含んでいるため、夜に食べると長く腸に滞在して、細胞にエネルギーを与え続けてくれます。
伊達 素晴らしい習慣ですね。毎日プルーンを食べることが大事ですが、一度に何個も食べるのではなく、1日の中で分けて食べるといいですよね。私は最近、パプリカとプルーン、くるみを米と一緒に炊飯器に入れて、プルーンのパエリア風炊き込みご飯にしています。彩りもきれいで、くるみのオメガ3脂肪酸も一緒に摂れます。ご飯に食材の栄養が染み込むので、残らず効率的に摂ることができます。それと暑い季節にオススメなのが冷凍プルーン。プルーンを1つずつラップして冷凍庫に入れ、小腹が空いた時に1つずつ食べてアイスがわりにしています。
笠岡 プルーンの炊き込みご飯、早速やってみようと思います!
《学生向けセミナー》
2024年6月21日(金)鹿児島純心女子短期大学部食物栄養専攻に所属する1年、2年生を対象に、カリフォルニアプルーンの栄養や効能を知っていただくことを目的に「腸から骨まで整えるカリフォルニアプルーンの栄養価・機能性を知る“プ活栄養セミナー”」を開催致しました。上記の講演者に加え、調理実習として、鹿児島純心女子短期大学部教授 大山典子先生に調理指導を受けました。実習メニューとしては、カリフォルニアプルーン協会提供レシピ「スパイシーカレーつけ麵」、鹿児島純心女子短期大学考案レシピ「冬瓜の赤ワイン煮 アイスクリーム添え」をそれぞれ調理しました。調理実習した生徒からは「普段調理で使用したことのない食材でしたが、美味しくできた」、「スパイシーカレーつけ